私の編曲の進め方と言うのは、前から時々書いていますとおり、 1. 編曲したい曲のスコアをスキャナで画像データとして取り込む。 2. KAWAIのスコアメーカーで楽譜として認識させ、Music XML形式で書き出す。(MIDIデータ化、と言っております。) 3. Music XML形式で書き出したファイルをFinaleにインポートし、オーケストラスコアとして完成させる。(原曲スコア化、と言っております。) 4. 作成したオーケストラスコアをもとに吹奏楽編曲を行います。 5. 吹奏楽スコアが完成したら、パート譜作成、PDF化、印刷、配布と進んでいきます。 という手順で行っています。1.~3.というのは編曲をするための準備ということになるので実際に編曲をしているわけではありません。 この1.~3.で行っている、MIDIデータ化にしても原曲スコア化にしても、パソコンで取り込めば即使えると言うものではなく、かなりの修正をしなければならず、たいへんな時間をかけています。全体の7割程度の作業時間を占めているような気がしますので、実際の編曲作業が始まってしまえば、完成まではさほど時間は掛かりません。 ですから、Finaleのファイルで作成されたオーケストラスコアというものがあれば、編曲は非常に短時間で行えるのですが、そういったものがあるでしょうか? というと、実はあるのです。 Finaleシリーズ対応楽譜データということで、このようなサイトがあります。 .musicsheet 楽譜ダウンロード ベートーヴェンで検索してみると交響曲は、「英雄」、「運命」、「田園」、第7番、「合唱つき」が出ていますねぇ。実はこのサイトについては私は以前から知っていたのですが、この交響曲全曲吹奏楽編曲を始めた頃は、「運命」第1楽章と「田園」第1楽章しかなかったので、「ほとんど使うことは無いなぁ」と思っていたのです。久しぶりに覗いてみたら、かなり充実してきていたので驚きました。 とはいいましても、私の編曲も第8番まで終わっておりますから、使うとしたら「合唱つき」のみということになります。価格を見てみると全4楽章セットで2200円です。私の残り作業は、今日(2008.5.17)現在で、原曲スコア化と吹奏楽編曲のみです。原曲スコア化を行う代わりに2200円を払って購入して、吹奏楽編曲に移るかどうかということになります。今まで行った、MIDIデータ化までの作業は無駄になってしまいますし、心情的には「ここまで全部やってきたのだから最後までやり通す。」ということもあります。ですが2200円という金額は決して高くは無いというところが悩みの種です。 で、このmusicsheetサイトをつらつらと眺めていると、ご利用規約というものがあります。まぁ、使用に当たっては当社の権利を侵害しないように、というものなのですが、ベートーヴェンについては著作権は切れていますので問題は無いように思うのですけれど、私のように編曲して使用するのはもしかしたら禁止事項に抵触してしまうのかもしれません。 サイトのバナーには 『見る・聴く・編集する。これからの楽譜の新しい形』 とありますし、編曲は許可されるものと判断してしまいそうです。まぁ、「不明な点はご相談下さい」とありましたので、問い合わせフォームから質問してみましょう。ポチっとな(送信ボタンを押した音)。 でも、今時点の考えとしては、編曲が許可されようがされまいが、このまま自力で進めようと思います。ここまでやってきたのですから。 こういうことで悩んでいるより早く進めろ、という声が聞こえてきそうです。 (2008.5.25 追記) 問い合わせをしました、イーフロンティア様から回答をいただきました。 musicsheetを編集して使用することは可能との事です。「編曲をしてはならない」と言う回答ではありませんでした。 ただ、ちょっと解釈に悩むのは、 禁止事項: ●本製品に収録されている楽譜データおよびMIDIデータを、そのままあるいは原典が分かる形で、商業出版物に使用すること、およびデータ自体を取引対象として公開非公開を問わずいかなる形態においても頒布することはできません。 (使用許諾の抜粋から) というところの原典とは何を指しているかです。作曲者が作曲した音楽を指すとすれば、吹奏楽に編曲したとしても原典は判ることになり禁止事項に抵触することになります。しかし、著作権が切れているパブリックドメインについても権利を主張しているようでもあり矛盾を感じます。 とすれば、musicsheetとして販売されたデータ(PCデータや表示・印刷された譜面の絵面)を原典と解釈するすべきなのでしょう。ある程度の改変を加えて、musicsheetから編集したことが明確に分らなければ問題ないといえそうです。 |