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391.一日休むと

2013.12.23


 『一日休むと三日戻る』 なんてことを聞いたことがあります。楽器の練習は大変なことで、一日休んだだけで三日前の状態に戻ってしまうということです。そのままですが。
 私などは、この十月までは週に1~2回の練習でしたので、休んだ日に三日ずつ戻っていたとすると、一週間に15~18日、一年間に780~936日も後退することになり、そのうち楽器を始める前よりも下手になってしまいます。などと、バカなことを考えていたりするわけですが、確かに毎日続けていたものを一日休めば、その三日分くらいは戻ってしまうことだと感じるのは分かりました。

 そんな私ですが、先日つい休んでしまったのです。そうですね、二ヶ月毎日吹いていた楽器を、ちょっとしたことで休んでしまったのですが。

 翌朝、異変を感じました。こう何か、顔が変な感じ…。いやイケメンだとは最初から思っていませんから変な物は変でよいのです。唇が腫れぼったいのです。特に上唇が若干腫れているようです。腫れて強張っているので、喋るにしてもすこし呂律が回らないようになっています。
 「これは困ったことになったなぁ、このまま腫れが引かなかったらどうしよう。また菌でも入ってしまったのかしらん。」と思っていたのですが、昼頃までにはなから、夕方にはすっかり腫れは引いておりました。
 一安心はしたのですが。

 何故、腫れてしまったのかを考えてみました。
 楽器を吹くときには、かなりの強さで圧を掛けます。それと同時に、口の周りの筋肉もかなり使います。これが毎日、夕方から夜に掛けて起こっている訳です。
 体は、夕方になると「そろそろ唇の周りに圧力が掛かるぞ。」とそれに対抗するための圧を掛けてくるわけですよ、きっと。楽器を吹く日は、ちょうど釣り合うような形になって、練習を終えめでたしめでたしとなるのでありましょう。
 しかし、その日は練習をしなかったので、体の準備だけが起こってしまい、唇が腫れてしまったのではないかと。

 体というものは実に不思議です。毎日の状況に対応しようとするようにできているのですね。確かにお酒も飲んでいるうちに、だんだん体が慣れてきて…しかし、飲み過ぎれば同じ様に二日酔いのなるのですが。

 もとい。

 練習を一日休んだために、体の調子が狂ってしまえば、元に戻すのに確かに三日くらいは掛かるものでしょう。言葉というのは、文字だけでとらえてはいけないのですね。その裏側には何らかの真理が隠れている場合があるようです。

 しかし、五十歳を過ぎてからこのようなことに気づくとは、いろいろと奥が深い物が有るなぁと感心した次第であります。
 

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